1)運送業の種類
まず、運送業の種類について解説します。運送業は、以下3つの種類に分かれています。
・一般貨物自動車運送事業
・特定貨物自動車運送事業
・貨物軽自動車運送事業
それぞれ違いがあるので、ひとつずつ解説します。
①一般貨物自動車運送事業
一般貨物自動車運送事業とは、事業用自動車を使用し、複数の荷主の貨物を有償で運ぶ事業のことです。みなさんがイメージする「運送業」はこれにあたり、
・緑ナンバー
・青ナンバー
・営業ナンバー
上記のような呼び方で示されることが多く、引っ越しや宅急便などが一般貨物自動車運送事業の例です。
②特定貨物自動車運送事業
特定貨物自動車運送事業とは、特定の1社の貨物を有償で運ぶ事業のことです。
一般貨物自動車運送事業との違いは、特定の1社の貨物か複数の荷主の貨物かという点のみになります。
③貨物軽自動車運送事業
貨物軽自動車運送事業とは、軽自動車や排気量125cc以上の自動二輪車を使用し、有償で貨物を運ぶ事業のことです。
軽貨物
黒ナンバー
上記のような呼び方で表されることが多くあります。
一般貨物自動車運送事業や特定貨物自動車運送事業との違いは、使用する自動車が軽自動車か排気量125cc以上の自動二輪車に限られるという点です。
2)運送業を始めるために必要な許可
運送業者として独立し開業したいとなっても、すぐに開業できるわけではありません。運送業者として開業するには、「運送業許可」が必要になります。
軽トラ以外の大型トラックなどで運送業を始める場合、一般貨物自動車運送事業か特定貨物自動車運送事業として申請をして許可を得る必要があります。
一般的には、複数の荷主の荷物が運べる一般貨物自動車運送事業で申請し許可を得ることが多いです。
一般貨物自動車運送事業で運送業許可を得るためには、国土交通省が定めた要件を満たしている必要があるので、これから解説する要件を確認してみましょう。
3 )運送業許可は必要な場合と不要な場合がある
全ての運送業に運送業許可が必要というわけでありません。ここでは、運送許可が必要な場合と不要な場合を解説します。
3-1)必要な場合
運送業許可が必要な場合を簡単に説明すると、「運賃をもらって輸送を行う場合」です。いくつか例を挙げると以下の通りです。
・企業から依頼され、製品をある企業に運んで報酬を受け取る場合
・引越し業者として荷物を運び報酬を得る場合
・積載車を使って車を運び報酬を得る場合
報酬を受け取っても運送業許可が必要ない場合もあるので、以下で解説します。
3-2)不要な場合
運送業許可が不要な場合は以下の通りです。
・自社の荷物を運ぶ
・軽自動車で荷物を運ぶ
・自動二輪車で荷物を運ぶ
・運賃をもらわずに荷物を運ぶ
先ほど、運送業の種類で紹介した「貨物軽自動車運送事業」がこれにあたります。
運送業許可は必要ありませんが、貨物軽自動車登録は必要なので注意しましょう。
4)運送業許可の取得に必要な5つの要件
運送業許可を取得するためには、5つの要件を満たしている必要があります。要件は以下の通りです。
①資金
②人員
➂資格
④場所
⑤車両
ひとつずつ要件の内容を解説していきます。さらに詳しい内容は国土交通省のホームページを参考にしてください。
①資金
運送業許可を取得するためには、運送業を始める資金と当面の資金を確保していることを証明するためにあります。
資金の証明には、銀行が発行する残高証明書で証明可能です。
・何台トラックを購入するか
・事務所の賃料はいくらか
・駐車場はいくらか
上記のような条件によって必要な資金は変わるので、一概にこれくらいの資金があることを証明できればいいと伝えることはできませんが、
おおよそ1,500〜2,500万円は必要になります。
②人員
人員の要件は、運送業を開始する人員が足りていることを証明するための要件です。最低でも6人は必要になり、内訳も決まっています。
運行管理人:1人
ドライバー:5人
運送業を開業しようとしている方は、人員の確保を忘れずに行いましょう。
③資格
運送業許可を取得するためには、「運行管理資格」を所有する方がいないと取得できません。
運行管理資格とは、運送の安全を管理するための資格で、資格を所有した人がいないまま運送業を始めると、
法律違反となり30日の事業停止処分を受けることになります。
運行管理資格を取得する試験は、年2回しか行われないので、運送業の開業を考えている場合は計画的に取得しましょう。
④場所
場所の要件では、定められた施設を確保していないと運送業許可を取得することができません。
場所の要件で定められている施設は以下の通りです。
・営業所(事務所)
・休憩室・睡眠施設
・駐車場
ひとつずつ解説します。
営業所
営業所は、「市街化調整区域」に入っていないことが条件です。
物件によっては、事務所として利用することを認めていない物件もあるので、注意しましょう。
休憩室・睡眠施設
休憩室は、2.5m以上の広さがないと休憩室と認められないので、広さを確認してから休憩室を確保してください。
駐車場
駐車場は出入り口の幅が要件で定められています。
相互通行の場合は約5.5m〜6m以上
一方通行の場合は約2.5〜3m以上
⑤車両
車両の要件は、軽自動車以外で、かつ車検場で用途欄に「貨物」と記載されているトラックを最低5台以上保有することです。
許可の申請を行う際に所持していなくても、購入予定であることが証明できれば、運送業許可を取得できます。
当事務所では実地調査から運行開始手続きまですべてサポートいたします。
運行開始後のナンバー変更や報告書の提出にも対応します。
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